ある種の熱 ― 2005/10/02 05:21

先日下北のディスクユニオンに”茶々ちび”を買いに行ったとき、
高橋徹也の新譜に出くわしました。
まるで何年も音信不通だった友人に
ばったり出会ったような気分になりました。
(昔のカノジョに会いに行ったら、
古い友人に出くわしたみたいな…?)
そのときにはたいして持ち合わせもなかったので
お目当ての”茶々ちび”だけ買って帰りましたが、
今日タワレコで買ってきました。
今、そのアルバム”ある種の熱”をきいています。
ひとことで言ってしまえばジャージーなアルバム。
今は死語のAORな音作りともいえます。
(でも、それはかれの作ってきた音楽全てに
言える事でもありますが。)
このアルバムでもそうですが、
高橋徹也の声は無機質な感触なのに確かな熱を感じるのです。
しかし、その熱は”熱いモノ”ではなく、
例えれば水のなかにドライアイス投げ込んだような…
つまり、常温の水なかにそれよりも低い温度のモノを
投げ込んだときの温度差から生まれる熱とでも言いましょうか…
そんなイメージです。
多分その熱はアルバムタイトルにある”ある種の熱”と
同じものではないかと思いました。
常温より高い温度を競うバンドやミュージシャンはたくさんいます。
しかし、そんな音楽よりもときとしてこの静かな熱は
大きな火傷をのこします。低温火傷のように…。
こういうスタンスでロックをやっているミュージシャンは
大抵マニアックな人々の慰み者になってしまいます…
もったいない。
”ある種の熱”は聴く者に確かな熱をあたえてくれます。
高橋徹也はもっと多くの人に聴かれていいとおもう。
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