アリタ ― 2006/01/03 20:34

ここ何年かは正月の二日か三日に有田へドライブに行くのが恒例となっています。
ことしは三日にイケチャンとふたりで行ってきました。
親戚が有田にいるのでこどもの頃はよく遊びに来ていて思い出深い町です。
有田のメインストリートは江戸・明治・大正・昭和の各時代を代表する町屋が連なっているらしくとても風情があります。
しかし今回はそのメインストリートから少し奥に入ったトンバイ堀の裏通りを中心に散策しました。
アリタそのに ― 2006/01/03 20:51

トンバイ堀とは
「登り窯を解体した後のレンガやトチン、ベンジャラなどの陶片を赤土で固めた土塀のことで、磁器の町有田らしい特徴的な土塀です。」
と観光マップに書いてあります。
つまり陶器の町らしいリサイクルの形がこのトンバイ堀ということでしょうか。
正月のせいか裏通りだからか、この通りで人に出くわした記憶がほとんどありません。
今年も一人だけおばさんとすれ違っただけです。
こどもの頃の正月はこんな感じでしたね。
元旦からの三が日はみんなほとんど家からでないで正月をおごそかに過ごしていた気がします。
このシーンとした感じが好きで元旦の日に雨戸の隙間から人も車も通らない通りをよく覗いていました。
その懐かしい感じがよみがえってきました。
この裏通りも去年より空き地が増えた気がします。
この後どんな建物が建つのでしょうか‥。
出来ればこの町の雰囲気にあった町屋作りの建物だといいのですが。
アリタそのにのご ― 2006/01/03 20:55

トンバイ堀のアップをお楽しみください。
d(゚∀゚)
アリタそのさん ― 2006/01/03 21:03

アリタそのさんのご ― 2006/01/03 21:05

アリタそのよん ― 2006/01/03 21:07

アリタそのよんのご ― 2006/01/03 21:08

アリタそのご ― 2006/01/03 21:11

有田はこの町屋の通りも風情があっていい雰囲気なのですが、市街地を離れて田園地帯に出てみると独特の形の低い山並みが不思議な空間を作っていて、なんだか小さい中国のようです。
(中国に行ったことはありませんけどね)
この山並みもボクのお気に入りの風景です。
今年は山並みに夕日が低くたれ込めているのが見れていい感じでした。
それを横目に佐賀へと戻りました。
毎年来てても毎回かけ足で見て回るのでいつも物足りない気持ちでこの町を後にしてしまいます。
いつか泊まりがけでゆっくり散策したいと思いました。
アリタそのろく ― 2006/01/03 21:49

けつまつ ― 2006/01/04 10:23

・
彼の恋は終わってしまいました。
思わず笑ってしまうぐらいにベタなセリフは、
それ故に致命的に八年越しの彼の想いを打ち砕きました。
「娘は結婚して家を出て行きました」
彼の思いを知ってか知らずか、
彼女のお袋さんはその身も蓋もないセリフを
無邪気な笑顔で彼にキラーパスしました。
作り笑いでその場をやり過ごし外へ出た彼を、
お袋さんは今日に限って何故か戸口の所まで来て
笑顔で見送ってくれます。
「またいらしてくださいね」
(ひょっとしたらお袋さんは
彼の思いに気づいていたのかもしれません‥)
早く一人になりたかったであろう彼には
逆にツライ気遣いでした。
「去年会った時に何か雰囲気が違ったから‥
予感はあったんだ‥‥」
お袋さんが家の中に消えた後、
彼は彼女の家を見あげながら遠い目で
ポツリポツリと話しました。
「しょうがないよ‥‥」
家族の問題や自分自身も身体を壊して仕事を辞めたりで、
彼女に対して積極的に動けなかった事に、
しょうがないと言いながらも悔いはあるのでしょう。
彼は急に老け込んだように肩を落とし駐車場へと
ふらふら歩いて行きました。
車の中で彼は無口でしたが、
ふと独り言のように言葉を漏らします。
「彼女には感謝してるんだ‥
こんなオレにいい思い出をくれた‥早く忘れないとな‥‥」
自分に言い聞かせているように聞こえます。
ムリに忘れようとしても無駄だよ。
こういう事はトコトンくよくよ考えて泣き入れるしかないんだよ。
失恋歴で彼の先を行くボクは、彼にそう言いました。
「そういうもんか‥」
と言う彼に、ボクは来年もまた来ようなと言いました。
彼は苦笑いで運転を続けます。
ボク達を見送るように沈む夕日が奇麗でした。
つづく
彼の恋は終わってしまいました。
思わず笑ってしまうぐらいにベタなセリフは、
それ故に致命的に八年越しの彼の想いを打ち砕きました。
「娘は結婚して家を出て行きました」
彼の思いを知ってか知らずか、
彼女のお袋さんはその身も蓋もないセリフを
無邪気な笑顔で彼にキラーパスしました。
作り笑いでその場をやり過ごし外へ出た彼を、
お袋さんは今日に限って何故か戸口の所まで来て
笑顔で見送ってくれます。
「またいらしてくださいね」
(ひょっとしたらお袋さんは
彼の思いに気づいていたのかもしれません‥)
早く一人になりたかったであろう彼には
逆にツライ気遣いでした。
「去年会った時に何か雰囲気が違ったから‥
予感はあったんだ‥‥」
お袋さんが家の中に消えた後、
彼は彼女の家を見あげながら遠い目で
ポツリポツリと話しました。
「しょうがないよ‥‥」
家族の問題や自分自身も身体を壊して仕事を辞めたりで、
彼女に対して積極的に動けなかった事に、
しょうがないと言いながらも悔いはあるのでしょう。
彼は急に老け込んだように肩を落とし駐車場へと
ふらふら歩いて行きました。
車の中で彼は無口でしたが、
ふと独り言のように言葉を漏らします。
「彼女には感謝してるんだ‥
こんなオレにいい思い出をくれた‥早く忘れないとな‥‥」
自分に言い聞かせているように聞こえます。
ムリに忘れようとしても無駄だよ。
こういう事はトコトンくよくよ考えて泣き入れるしかないんだよ。
失恋歴で彼の先を行くボクは、彼にそう言いました。
「そういうもんか‥」
と言う彼に、ボクは来年もまた来ようなと言いました。
彼は苦笑いで運転を続けます。
ボク達を見送るように沈む夕日が奇麗でした。
つづく
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