つれづれ

会社の近くで行きつけの銭湯が今日で店終いになります。

四時半に中目黒に居ないといけないので
最終日は難しいかと思ったのですが、今日は三時から
（最終日だからでしょうか、
通常は三時半か四時に開店だったと思います。）
開店ということでムリをして入りに行くことにしました。

一番風呂を目指したのですが、既に先客がいました。
どうやら二番風呂。一番にはなれないタイプです。

でも、こんな早い時間にこの風呂屋へ来たことはなかったので
何だか新鮮です。

上の窓から入り込む自然光が気持ちよかったので、
あまり座ったことのない一番日の光が入ってくる場所に
カランを置きました。

このお風呂屋は日曜だけ薬湯になります。
今日も日曜日。そして最終日という事もあるでしょうね。
薬湯です。天然ハーブ（あれ、ラベンダーだったかな‥？）湯。

体を洗い湯舟につかるといいお湯加減。
薬湯がしみて良い感じです。

気持ちよく湯にひたっていると、
三番目のじい様がやってきて水でガンガンうめだしました。

（いいお湯加減なのに‥）

どのみちそんなに長湯をしている余裕はありません。
湯舟を出てシャワーを浴びていると、
そのじい様がオレに何か話しかけてきました。

最初何かボクに文句を言っているのかと思いましたが、
良く聞いてみるとじい様は

「ここおわっちゃうんだっよ」

と言っていました。

ボクが「今日で最後ですね。不便になりますね。」と応えると、

じい様は「どうろこえていかなくちゃなんない‥」

と寂しそうな表情になりました。

ボクはこの風呂屋に通い始めて
たかだか一年半くらいのものです。
ビギナーと言っても良いでしょう。

しかし、じい様はボクとは比べようもないくらいの年月
この風呂屋に通ってきているのだと思います。
想いも一入で、だからついこんな知らない若造に
話しかけてしまったのでしょうね。

風呂から出たのはボクが一番でした。

でも、こういう一番はうれしいものではないですね。

出来ればもう少しゆっくりしていたかった。

なごり惜しくも、おぎの湯を後にして中目黒へ向かいました。