リリイ・シュシュ ― 2007/06/22 01:28

「リリイ・シュシュのすべて」
岩井俊二は好きで殆どの映画を観ているけど
ただ、この「リリイ・シュシュのすべて」だけ避けてきました
残酷な映画なのは…
岩井俊二の作品の中で一番残酷な映画だろうというのは
予告を観た時に分かっていたから
…だから、避けてきました
避けてきたくせに、麦畑の風景を観たくて
ついに、今日観てしまいました…
…痛い…
…想像した通りに麦畑(稲?)は美しくて…
そして、とても「痛い」映画でした
「花とアリス」を観た時も思ったけど
岩井俊二は、どうしてこんなにも残酷なのでしょうか…
田園の美しい風景から始まるこの映画の登場人物達は
最初から、最後まで徹底的に惨めで無様で最低です
そして、この登場人物達には最後まで
ありがちな救いは訪れません
主人公が最後に起こす、”ささやかな”抵抗も
あまりに手遅れで本人を含め誰も救えないモノでした
最後のシーンも、観ようによってはハッピーエンドを
予感させてると見えなくはないですが、
どう考えても、この後にハッピーな未来があるとは思えません…
主人公が十四歳前後の物語は
とても美しい映像の中、残酷が溶け込んでいて
痛くてしょうがないのに目が離せない…逃げられない、
まるでSMです
ボクの十代も惨めで無様なものでした
今、想い出してみても楽しい事なんか
何も無かったように感じます
だからこの映画は、無力で弱い最低な十四の頃の自分を
想い出させて、観てるウチに嫌な汗が出てきました
観終わった後、映画の空気に当てられたボクは、
非常に疲れていました
そして落ち込んでもいました…ホントに凹んだ…
もう少し若かったら号泣していたかもしれません
今、十四のコ達にこの映画を見せたとして
そのコ達はどう感じるんでしょうね…
仕事の参考だったのに、仕事をする気分じゃなくて
少し早かったけど帰宅してしまいました
ちょっと、引きずりそうです…
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