歌姫(情事)2006/08/11 15:49

COCCO日本武道館06.8.10(コンタ)


”歌姫”



という形容が流通し始めたのは
ボクの知っている限りでは
中島みゆきが「寒水魚」というアルバムで
「歌姫」という曲を歌ってから…
もう二十五年近くも前の話です

その辺りから日本のミュージック界に
沢山の”歌姫”が誕生する訳ですが…





COCCO 日本武道館




”歌姫”




ステージで歌うCOCCOを観ながら思いました


世に歌姫と呼ばれる女性ミュージシャンは沢山いるけど

彼女ほどその称号にふさわしいヒトは
そうはいないのではないかと


歌に愛されて 愛しすぎて 怯え 憎んでしまう


そして、そんな葛藤の果てに
COCCOは歌の神様と契約を結んだようです


「一生歌い続ける」と


男女問わず音楽とそんな関係を持っているミュージシャンが
どれだけいるでしょう


そう決めた歌姫のステージ上での振る舞いは
まさしく”姫”で
バンドのメンバーは言うなれば歌の姫に従う侍従

姫には逆らえません

メンバーは彼女の指令に翻弄されながらも、
でも渋々という感じはなく
みんな楽しそうに従っていました

その傍若無人な振る舞いに
観ている僕らもイヤな感じは少しもしなくて
尊重されるべきは歌で
その歌を紡ぐ為のワガママだから
歌が生まれる瞬間まで見せてもらえて
とてもうれしく 楽しませてもらいました



COCCOは歌をよく「ウンコ」に例えるけど
それは「SEX」と言い換える事もできるかもしれません

覚えたてのSEXのように
それがもたらす快感と
その快感を受け入れてしまう事への罪悪感

6年前は その快感をうまく受け入れる事ができず
いったんその行為を止めてしまった訳だけど


暗黙情事

ライブで演奏されたこの曲は
彼女もインタビューで応えているように
まるで音楽とSEXしているようでした

歌の中で彼女は叫び続けていました

自分の中に入ってくる音の快感に応えるように
叫び続ける様はその快感の大きさを伝え
バンドとの一体感は圧倒的な歌を生み出し
ボクにとってはこの日のハイライトでした


歌を受け入れ

”もっとも優先されるべきは歌”

と覚悟を決めたCOCCOにはもはや罪悪感や迷いは無く

姫に従う五人の侍従(というより愛人?)も
”彼女の歌を止めない”という意識の元
戸惑いから解放され

とても幸せな空間が武道館に広がっていました


COCCOは時より涙を見せても
歌うときその声によどみはなくて素晴らしいライブでした



少し残念な気がしたのは
観客にマグロのヒトが多かった事

”してもらう”ばかりじゃなく
もっとCOCCOの歌を身体で受け入れ
その歌に応えて上げればいいのに
と思ってしまいました

「ライブの楽しみ方は人それぞれ」
それは正論です

でも最近観たライブがチバでベンジーで
半年ぶりとかでもファンは
もう、うれしくて仕方ないというのを全身で表現していて
そのハシャギぷりはライブの空間をとてもハッピーにしました

ライブの空間を作るのは観客の力が大きいです



ひとり印象に残ったのはボクの右前にいた
黒いドレスの娘

彼女はライブ中COCCOに負けないぐらい全身で身体をゆらし
そして時折子供のように泣いていました

そしてライブが終わった後まるで迷子になったように
号泣しながら帰っていきました

この日ボクが観た中で一番COCCOの歌に
直接触れる喜びを表現していたヒトでした

(ボクもなかなかその域までは行けませんけど)



まあこれからですよね

これからCOCCOがたくさんライブをやってくれて
同じ空間を何回も共有していくウチに
COCCOの歌に応えていけるようになっていくでしょう


だからCOCCO たくさんライブ演ってほしい


そう 切におもいます




コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://jude.asablo.jp/blog/2006/08/11/480450/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。